マウスピース矯正とは
透明なマウスピース型の矯正装置を装着することで、歯並びを改善する治療法です。
マウスピース型の矯正装置は、透明なプラスチックでできているため、装着していてもほとんど目立たず、装着時の違和感もほとんどありません。また、マウスピース型の矯正装置は薄いだけでなくやわらかく、その弾力を利用して弱い力で少しずつ歯を動かしていくため、歯にかかる負担が少なく、歯の移動による痛みを最小限に抑えることができます。
「目立ちにくい」「痛みや違和感が少ない」に加えて、矯正装置は食事の際には取り外せるため、治療中も快適に過ごせる矯正治療として人気です。
ただし、患者さまのお口の状態によっては適していない場合もあります。初診カウンセリングにてマウスピース型矯正装置による治療が可能かどうか診断することができますので、お気軽にご相談ください。
※当院で使用するマウスピース矯正装置は、マウスピース型矯正(インビザライン)を使用しております。
マウスピース矯正の特徴
デジタルスキャナー・iTeroを使った精密な矯正装置
当院のマウスピース型矯正装置による治療では、一般的にはシリコン製の印象材を使って行なう歯型取りを、デジタルスキャナー・iTeroを使って行ないます。
デジタルスキャナー・iTeroは、特殊な光を歯に照射して撮影することで、歯の形状や歯列の状態をデジタルデータとして取得することができます。このデータをもとにコンピューター上で治療計画を立て、矯正装置を設計することで、変形のない精密な矯正装置を作製することができます。
矯正装置は約2週間ごとにつけ替える
マウスピース型矯正装置による治療では、約2週間ごとに次の段階の装置につけ替えることで、少しずつ歯を動かしていきます。治療完了までに使用する装置の数は症例によって異なり、数が多いほど治療完了まで時間がかかりますが、平均して約1~2年ほどで歯並びが整います。
治療期間中はおよそ2ヵ月に1回の頻度でご来院いただき、矯正装置と歯の適合性やお口の状態を確認し、次の段階の矯正装置をお渡しします。
患者さまの自己管理が重要
マウスピース型矯正装置は、歯をしっかりと動かすために1日20時間以上は装着していただく必要があります。
これができていないと、治療計画通りに歯が動かず、目標としていた治療結果になかなか到達できない可能性があります。
できるだけ短い期間できれいな歯並びを手に入れるためにも、患者さまにご協力いただくことが非常に大切です。
マウスピース矯正のメリット
矯正装置が透明で
目立ちにくい
マウスピース型矯正装置は透明な薄いプラスチック製なので、装着していても見た目ではほとんど分かりません。そのため、治療中の見た目が気になる方や営業職や接客業などお仕事で人前にでる機会が多い方、周囲の方に気付かれることなく歯並びを整えたい方におすすめです。
痛みや違和感が
少ない
やわらかいプラスチックの弾力を利用し、過度な力をかけることなく歯を動かしていくため、治療中の痛みを軽減することができます。
また、マウスピース型矯正装置は、軟らかいだけでなく薄いため、装着していても違和感が少なく、唇や口内の粘膜を傷付けるような心配もありません。
矯正装置を気にせずに
食事ができる
ワイヤーを使用した矯正治療では、矯正装置の着色や破損を避けるために食べ物に注意する必要がありますが、マウスピース型矯正装置による治療では、食事の際には矯正装置を取り外すことができるので、治療前と同じように装置を気にせずに食事を楽しむことができます。
清掃しやすく、
衛生的に保ちやすい
マウスピース型矯正装置は歯磨きの際にも取り外せるので、装置を気にすることなく、今歯をすみずみまでしっかりと磨くことができます。
また、マウスピース型矯正装置自体も取り外して清掃できますので、歯と装置の両方を衛生的に保ちやすくなります。
通院回数が少ない
唇側矯正などワイヤーを使った矯正治療では、1ヵ月に1回の頻度で通院する必要がありますが、マウスピース型矯正装置による治療では、2ヵ月に1回の頻度での通院となります。通院回数が少ないため、お忙しい方や遠方からお越しの方の通院によるストレスを軽減することができます。
金属アレルギーでも
治療できる
矯正装置はプラスチック製で一切金属を使用しないため、金属アレルギーがある方でも矯正治療を受けることができます。金属アレルギーで矯正治療をあきらめていた方もぜひ一度ご相談ください。
治療の流れ
STEP1 デジタルスキャナー・iTeroによる歯型取り
デジタルスキャナー・iTeroを使って患者さまのお口の中を撮影し、歯の形状や歯列の状態をデータとして取得します。撮影時間はや約1分と短く、嘔吐反射の強い方もストレスなく歯型を取ることができます。
STEP2 シミュレーション・治療計画の立案
デジタルスキャナー・iTeroで得た歯型のデータと、レントゲン写真・口腔内写真をもとに患者さまのお口を再現した3D画像をコンピューター上で作製し、その画像を使って専用のソフトにて歯の移動のシミュレーションを行ない、患者さまに適した治療計画を立案します。
治療計画と治療後の仕上がりについて患者さまにシミュレーション画像をご覧いただきながらご説明します。
STEP3 マウスピース型矯正装置の作製
治療計画について患者さまに充分にご納得いただいたら、治療計画のデータをもとにマウスピース型矯正装置(アライナー)を作製します。
デジタルスキャナー・iTeroによる歯型取りを行なってから1ヵ月~1ヵ月半ほどでアライナーが完成します。
STEP4 アライナーの装着
治療中の虫歯や歯周病を予防するため、アライナーを装着する前に歯のクリーニングと歯磨き指導をいたします。
その後、アライナーの着脱方法をレクチャーし、患者さまに練習をしていただきます。
最初のアライナーを2週間装着していただいたあとは、患者さまご自身で次の段階のアライナーにつけ替えていただきます。
STEP5 検診・クリーニング
治療中は2ヵ月に1度の頻度でご来院いただき、アライナーの適合性や歯並びの状態、お口の中の健康状態などを診察し、歯のクリーニングをします。
また、その際に次の段階のアライナーをお渡しします。
STEP6 治療完了
最後のアライナーを装着する前に噛み合わせと歯並びの状態を確認し、シミュレーション通りに歯が移動できている場合は、最後のアライナーを1~2ヵ月ほど装着して、治療が完了します。
ケースによっては微調整が必要となり、追加のアライナーを装着していただくこともあります。
STEP7 保定
治療が完了した後でも、しばらくは歯が元の位置に戻ろうとするため、それを防ぐために保定装置(リテーナー)を装着していただきます。
また、治療後も数ヶ月から半年に一回ほどメンテナンスにきていただき、歯並びのチェックやクリーニングを行なうことで、美しく健康な歯を維持することができます。
リスク・副作用
矯正歯科治療にともなう一般的なリスク・副作用
- ・機能性や審美性を重視する治療のため自費診療(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。
- ・装置の装着後は不快感、痛みなどが見られますが、数日から1~2 週間で慣れることが多いです。
- ・治療期間は症状により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正の場合は、第1期治療(乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行なう治療)で1~2年、第2期治療(永久歯がすべて生えそろった後に行なう治療)で1~2年半を要することがあります。
- ・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が当初の予定より長引くことがあります。
- ・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な受診などが治療結果や治療期間に影響するため、歯科医師の指示にきちんと従っていただく必要があります。
- ・治療中は、装置があるため歯が磨きにくくなり、虫歯や歯周病を発症しやすくなります。そのため、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診を心がける必要があります。また、歯が動くことで隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。
- ・歯を動かすことにより歯根の吸収や歯肉の退縮を引き起こすことがあります。
- ・ごくまれに歯と骨との癒着が見られ、歯が動かないことがあります。
- ・ごくまれに歯の移動により神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- ・治療中に金属などによるアレルギーを発症することがあります。
- ・治療中に顎関節症を発症し、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの症状が現れることがあります。
- ・何らかの問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- ・治療の進行状況により、歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
- ・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入ることや、補綴物が破損することがあります。
- ・装置を外した後、後戻りを防ぐために保定装置を指示どおりに使用する必要があります。
- ・装置を外した後、現在の噛み合わせに合わせて補綴物の作製や虫歯治療などを行なうことがあります。
- ・お子さまの場合、顎の成長により噛み合わせや歯並びが変化することがあります。
- ・治療後に親知らずが生え、歯列に乱れが生じることがあります。
- ・加齢や歯周病などによる歯根吸収で、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
- ・矯正歯科は、一度始めると元の状態に戻すことが困難です。
「インビザライン」(マウスピース型矯正装置)による治療のリスク・副作用
- ・機能性や審美性を重視する治療のため自費診療(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。
- ・1日20時間以上使用するという正しい装着方法を守らないと、良好な治療結果を得られないことがあるため、自己管理を徹底する必要があります。
- ・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
- ・症状によっては、マウスピース型装置での治療が難しいことがあります。
- ・お口の状態によっては、計画どおりの治療結果にならないことがあります。
- ・装着したまま糖分の含まれる飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
- ・治療によって、歯根の吸収や歯肉の退縮を引き起こすことがあります。
- ・食いしばりの癖が強いと、奥歯が噛まなくなることがあります。
- ・治療途中で、ワイヤーを使う治療に変更することがあります。
- ・お口の状態によっては、補助矯正装置を使うことがあります。
- ・治療後は、後戻りを防ぐため保定装置を指示どおりに装着する必要があります。
- ・インビザラインは薬機法(医薬品医療機器等法)未承認の医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。
「iTero(アイテロ)」(口腔内3次元スキャナー)のリスク・副作用
- ・薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医療機器であり、マウスピース型装置(インビザライン)による治療を行なう工程で使用する機器となります。
- ・iTero(3D口腔内スキャナー)を使用して行なうマウスピース型装置(インビザライン)による治療は、自費診療(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。
- ・印象剤を使用した従来の印象採得に比べ、印象採得時の不快感は大幅に軽減されますが、お口の中にスキャナーが入るため、ごくまれに多少の不快感を覚えることがあります。
薬機法において承認されていない医療機器「インビザライン」について
当院でご提供している「インビザライン」は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。
○未承認医療機器に該当
「インビザライン」は、薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトで2021年11月4日最終確認)。インビザラインを作製するための「iTero」(3D口腔内スキャナー)は、薬機法での承認を得ています。
○入手経路等
インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。
○国内の承認医療機器等の有無
国内では、インビザラインと同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2021年11月4日最終確認)。
○諸外国における安全性等にかかわる情報
現在世界100カ国以上で提供され、これまでに1,000万人を超える患者さまが治療を受けられています(2021年5月時点)。情報が不足しているため、ここではインビザラインの諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。 なお、日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。